講談社のMouRaで映像配信がスタートしていました。京極先生の朗読付き(むしろ朗読がメインでは)、3分間の動画。PodCastバージョンもあります。
MouRa: 京極夏彦、京極堂シリーズ邪魅の雫
昭和二十八年夏。江戸川、大磯と相次いで毒殺事件が発生する。そして──平塚。被害者の女性は偽名で生活し、身許不明。彼女に付き纏っていた不審な男、死体の第一発見者、香具師の破落戸(ごろつき)、殺意に憑かれた男。夫々の物語が渦巻くなか、増えていく毒殺死体。連続事件としての捜査は混乱を極め、ついにあの男が登場する!
今月発売の京極堂シリーズ新刊邪魅の雫の予約が一昨日からAmazonでスタートしていたようです。さっそく申し込んできました。
姑獲鳥の夏作中に登場する"人狐辨惑談"は実在するか。
作品内で触れられているのはたった一度、しかも書名のみ。内容や作者はまったく不明。よって同名の書籍が現存したとしても、断定は出来ない。 cf. 京極夏彦: 文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社, 1998) p607, 狐憑病新論と癲狂院: 姑獲鳥の夏作中に登場する狐憑病新論とその著者、及び癲狂院は実在するか
ただし"伯州雲州人狐辨惑談"というものは存在しており、それを収録した本もある。
三一書房書籍データ 日本庶民生活史料集成7
稀譚舎の目玉雑誌、稀譚月報の中村まこと編集長のモデルを推測する。
部屋には主筆で編集長の中村まことという男が一人きりで原稿を書いていた。[…]
中村編集長は顔を上げるとにこにこと笑って答えた。[…]
良く通る太い声で招き寄せられ、私は応接用の椅子に腰を下ろした。[…]
彼は関西出身らしく、言葉に少少関西訛りがある。
京極夏彦: 文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社, 1998) p97-98
着目すべきは"まこと"が漢字でなく平仮名で表記されていること。 "関西訛りで良く通る太い声のまこと"といえば"大阪出身で良く通る太い声の藤田まこと"。 "藤田まこと"といえば"必殺シリーズの中村主水"(はぐれ刑事純情派の安浦刑事でも可)。 "必殺シリーズ"といえば"京極夏彦"。
私が四冊目の本を物色しようと店のほうに行くと、帳場には主人の姿はなく、その代わりに何冊かの本が置いてあった。たぶん主(あるじ)の読みさしだろう。
『人狐辨惑談』
『狐憑病新論』
今更何を読んでいるのだ。
「それは大変有意義な本だ。『狐憑病新論』を書いた門脇という人は巣鴨の癲狂院(てんきょういん)の医局員をしていた人だ。君も知っているのじゃないか?」
京極夏彦: 文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社, 1998)p607
特定するためには、中禅寺秋彦(京極堂)の述べた内容と合致する必要がある:
(a) 書名(狐憑病新論)
(b) 著者名(門脇)
(c) 著者の経歴(巣鴨にある癲狂院の医局員だった)
邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 | 四六版 狂骨の夢
SeeAlso:
ルキーノ・ヴィスコンティや京極夏彦
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開口一番を関口一番と読み違えること