姑獲鳥の夏作中に登場する"人狐辨惑談"は実在するか。
作品内で触れられているのはたった一度、しかも書名のみ。内容や作者はまったく不明。よって同名の書籍が現存したとしても、断定は出来ない。 cf. 京極夏彦: 文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社, 1998) p607, 狐憑病新論と癲狂院: 姑獲鳥の夏作中に登場する狐憑病新論とその著者、及び癲狂院は実在するか
ただし"伯州雲州人狐辨惑談"というものは存在しており、それを収録した本もある。
三一書房書籍データ 日本庶民生活史料集成7
書名の伯州は鳥取県; 雲州は島根県。ともに山陰道、現在の中国地方だ。門脇真枝氏は"狐憑病新論"の中で、鳥取/島根の地名を挙げている。狐憑病新論の引用書目にも、(伯州雲州人狐辨惑談と同一とは断定できないが)人狐辨惑談の名前が記載されている。
久遠寺家は讃岐にルーツを持つ。両地方とは地理的にはかなり隔たっている。憑き物が狐ではなくオショボ(実は違うのだが)であることからも、憑き物筋という以外、直接的な関連はないだろう。もっとも池袋という土地は、狐憑きとまったくの無関係というわけでもないらしい。
なんと池袋は、江戸時代から恐れられていた土地だったという逸話がある。
まずは「池袋の女」。演歌のようなタイトルだが、江戸時代の怪談だ。[…]
この「池袋の女」は、狐がついたのだという説もあるが[…]
三善里沙子, 小松和彦: 東京魔界案内(光文社, 2003)p180 [1]
"人狐辨惑談"についてお詳しい方がいらっしゃれば良いのですが……。
[1]
邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 | 四六版 狂骨の夢
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ルキーノ・ヴィスコンティや京極夏彦
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