稀譚舎の目玉雑誌、稀譚月報の中村まこと編集長のモデルを推測する。
部屋には主筆で編集長の中村まことという男が一人きりで原稿を書いていた。[…]
中村編集長は顔を上げるとにこにこと笑って答えた。[…]
良く通る太い声で招き寄せられ、私は応接用の椅子に腰を下ろした。[…]
彼は関西出身らしく、言葉に少少関西訛りがある。
京極夏彦: 文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社, 1998) p97-98
着目すべきは"まこと"が漢字でなく平仮名で表記されていること。 "関西訛りで良く通る太い声のまこと"といえば"大阪出身で良く通る太い声の藤田まこと"。 "藤田まこと"といえば"必殺シリーズの中村主水"(はぐれ刑事純情派の安浦刑事でも可)。 "必殺シリーズ"といえば"京極夏彦"。
(a) 必殺シリーズ関連の著作がある[1]
(b) 京極先生は必殺シリーズ大好きっこ
(巻説百物語のモデルも必殺シリーズだった気がするけれども、ソースが思い出せないのでまた今度)
また、必殺フリークで知られる作家の京極夏彦は、自作に出てくるキャラクターである榎木津礼二郎のモデルが、本作の「先生」であることをインタビューで明らかにしている。
Wikipedia: 翔べ! 必殺うらごろし
……え、榎木津は中村敦夫だった?
つまり中村敦夫が忠臣蔵とか米軍パイロットとかバーテンダーとか華族(は家系か)とか探偵(は職業か)のコスプレ、はとりあえず置いておく。今回の主題はあくまでも中村まこと編集長である。
中村主水+藤田まことで中村まこと。
完璧。エレガント。
生まれて初めてはまったドラマが必殺シリーズで、生まれて初めてはまった俳優が藤田まことのわたしが直感したんです(ランドセルを背負ったまま、TVにかじりついていました)。間違いありません。……あっ。
京極堂だった。
昨晩とは違い、さっぱりした黄八丈の着流し姿で、手には羽織を持っている。
同上 p471
中禅寺は、八丁堀のファッションを意識?!
[1]
必殺党: 必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (角川書店, 2001)
必殺党: 必殺シリーズ完全闇知識 瞬間(ひととき)の愛編 (角川書店, 2001)
邪魅の雫 大磯・平塚地域限定特装版 | 四六版 狂骨の夢
SeeAlso:
ルキーノ・ヴィスコンティや京極夏彦
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