「もしかしたら東京と合同になるかもしらん。頭の痛い問題だよ」
京極夏彦: 京極堂シリーズ邪魅の雫(講談社, 2006/9)

第3章(p60-83)より。

登場人物

江藤徹也（えとうてつや, 澤福従業員, 発見者）

山下徳一郎（やましたとくいちろう, 警部補, 国家地方警察神奈川県本部刑事部捜査一課一係）

崎坂（さきさか, 巡査部長, 国家地方警察神奈川県本部刑事部捜査一課一係）

川上（かわかみ, 巡査, 国家地方警察神奈川県平塚警察署上平塚交番勤務）

小田（おだ, 巡査, 国家地方警察神奈川県平塚警察署上平塚交番勤務）

茶川（さがわ, 国家地方警察神奈川県平塚警察署）

澤村喜助（さわむらきすけ, 澤福店主）

澤村の妻

三橋富士子（みはしふじこ, すみれ荘住人, 通報者）

住所

神奈川県平塚市上平塚

マーカーは事件の通報を最初に受けた上平塚交番のある神奈川県平塚市上平塚です。

平塚町と須馬町の合併によって神奈川県平塚市が誕生したのは1932（昭和7）年。その後も合併があり、現在の市域になったのは1957（昭和32）年でした。

交番と事件現場のアパートすみれ荘、江藤徹也が住み込みで働いている澤福は、同一の町域内かはともかく近距離に位置するのではないかと思います。

澤福から交番まで。（移動手段については自転車/徒歩のいずれとも記述されていません）

交番までは五分も掛からない。
恵のアパート――現場よりも近い。
京極夏彦: 邪魅の雫(講談社, 2006/9)

交番からすみれ荘まで。

「歩いても七八分、走れば五分と掛かりません。記録では――小田巡査は十六分には現場に到着していますね。自転車だと四分なんですね」
同上

山下徳一郎は階級が警部補なので、役職は係長のような気がしなくもないです。……鉄鼠の檻、読み直してきます。

1994（平成6）年警察法が改正されるまで、警察署下部機構としての交番の正式名称は派出所。川上や茶川は交番と呼んでいますが、上平塚交番の正式名称ももしかしたら上平塚派出所かもしれません。ただし派出所以前に交番所などの名称が正式だった時期もあります。詳細を記載したソースを探し出せなかったので特定はできませんでした。下記に1948（昭和23）年交付/1954（昭和29）年改正の警察官職務執行法からの抜粋。1954年時点では交番という名称を文中に含みません。
警察官職務執行法
（昭和二十三年七月十二日法律第百三十六号）
最終改正年月日:昭和二九年六月八日法律第一六三号
（質問）
第二条
２　その場で前項の質問をすることが本人に対して不利であり、又は交通の妨害になると認められる場合においては、質問するため、その者に附近の警察署、派出所又は駐在所に同行することを求めることができる。
３　前二項に規定する者は、刑事訴訟に関する法律の規定によらない限り、身柄を拘束され、又はその意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない。
全文は法令データ提供システムでご覧下さい。

参考
警視庁: 警視庁のしくみ／交番・パトカー／交番の現況
平塚市: まちの歴史